酒や食事などを出してもてなすこと。武家の饗応料理は本膳料理と呼ばれ、室町時代に確立された武家の礼法により、江戸時代に発展した。冠婚葬祭などの儀式的な意味合いが強く、器の並べ方(膳組)から食べる順序、服装、作法などが細かく決められている。本膳を膝前に、二の膳を右側、三の膳を左側に置く。汁ものと料理の数により一汁三菜や二汁七菜などあるが、二汁五菜を配膳するのが一般的。前田家は徳川家と姻戚関係にあったため、京風の食文化の中に、江戸の礼式や慣習も取り入れている。この頃はまだ漁の技術が発達していなかったため、鮒や鯉など川魚を刺身に使うこともあった。吸い物に魚のひれを使うのは、毒がなく鮮度の良いものを使っていることを示す。また、雉や鴨など野鳥もよく用いており、中でも鶴は珍重された。